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高機能暗号の先にすべての演算(算術演算・論理演算)を暗号空間で実現する準同型暗号の研究が進められています。現段階では、高性能なスーパーコンピュータを用いても膨大な実行時間を要するため実用性が乏しいとされているが、将来有望な技術であり、高性能ハードウエアを実装することで、準同形暗号の実用化を加速することが期待されています。池田研では、一般性の高いTFHEの実装、加法準同形性に限ったハードウエア実装、特定用途に特化したものとして、ニューラルネットワークにおける、データ、パラメータもしくはその両者を保護しながら演算を行う準同型ニューロンの実装などを中心としてハードウエアの最適実装に向けた研究を進めています。
完全準同型暗号(HE)を用いたデータプライバシーを保護するクラウドコンピューティングの応用が期待されている。しかし、HEの計算コストは平文より1000〜10000倍高く、現実の応用はまだ実現されていない。 我々はソフトウェアとハードウェアの両面から、HEの計算の高速化を取り組んでいる。ソフトウェアでは、従来のニューラルネットワークをHEに適した構造に変え、前処理に加え計算コストを低減させる。さらに、専用のハードウェアを設計し、ソフトウェア上の負荷の高い演算を加速する。 ソフトウェアとハードウェアの両方において高速化した方式により、HEを用いた実用的なアプリケーションを目指している。